撮影地を探す(常磐線の例)


 このブログは、スリットカメラ鉄道写真館で掲載しているスリットカメラを使った列車側面写真の撮影を先日常磐線に実際撮影に行ったときの様子について撮影記風にまとめたものです。今回は、結果から見てあまりうまくいった例ではありませんが、こんな風に撮影しているのだとわかっていただければ幸いです。


スリットカメラの場合、一般のカメラと違ってどこでも撮影できるわけではありません。一般のカメラではよく駅のホームなどで撮影している人を見かけますが、スリットカメラの撮影場所としては駅のホームは向きません。というのは、駅のホームだと反対側の線路を通過する車両を撮影するにしても距離が短すぎることと、撮影位置が高いため列車の足回りがよく映らないからです。

 さてスリットカメラの撮影場所として適しているのは、線路脇に柵のない田園地帯です。最近は撮影場所を探すにはインターネットをよく利用します。インターネットの地図情報で探すのですが、特にグーグルの地図は、一般の地図と衛星写真の両方がつかえるので重宝しています。常磐線沿線で探していくと柏、我孫子、取手までは線路が複々線以上で沿線にも田園地帯はありませんでしたが、取手を過ぎると次の藤代駅までの間に駅間の中間と藤代駅付近に田園地帯を発見しました。そこでさっそく藤代駅を目指して出発することにしました。

 後からわかったのですが、今回の撮影場所のすぐ近くに藤代変電所があり、交流と直流を切り替えるデッドセクションの区間が近くにあったのですが、最近の電車は自動切換えになっていて、特に列車の速度には影響がないようでした。

<コメント>
スリットカメラ撮影の裏話を写真入りで詳細に解説され、その御苦労に感謝いたします、私も最近ビデオ撮影を始めました DVDの編集に苦労しています 今後の更なるご発展を祈ります。 
若蛙
2008/06/20 18:13


 
さて藤代駅に着きましたが、次に問題なのが撮影できる場所をさがすことです。スリットカメラの場合、駅に近いと列車がまだ加減速中で走行速度が安定しないので駅から離れたほうがよいのですが、今までの経験からは駅から500m以上離れれば問題はないようです。また駅の周りは柵がありほとんど撮影できません。今回も駅から取手寄りに10分ほど歩くことで田園地帯となりました。田んぼでは田植えが終わったばかりのようで、まだ田植え中のところもありました。田んぼには水が張っているので撮影する場所は限られます。一番のポイントは線路に柵や背の高い草が生えていると駄目で、撮影の障害になります。まず最初にカメラを設置した場所の写真です。

 田んぼは足場が悪いので三脚を立てるときの水平度の確認は慎重に行います。この場所では線路まで30メートル弱でしょうか。レンズをのぞきながら線路脇で草が生い茂っていないところを探しますが、今回の場所ではかなり線路脇の草が邪魔になりました。

 さて撮影を行おうとしたのですが通過する列車を見ていて、どういうわけか上りの列車の速度が下りに比べて遅く、安定しないのがわかりました。そこで上り列車をあきらめ下り列車を撮影することにしました。

撮影方向を変える(常磐線の例)




スリットカメラの場合反対方向の列車を撮影する場合、カメラを天地逆にすることで撮影します。ただこの撮影場所では写真のように上りの線路がわずか見えるだけで、下りの線路はその向こうに隠れて見えません。車輪の一部が隠れるのはやむを得ない状況でした。

 撮影方向を変えたのですが、向かって左方向は草が生い茂って撮影できません。かろうじて真ん中あたりが草が少ないので、列車に対し真横で撮影することにしました。

この撮影場所で写した作品のひとつです。こちらをクリックすると別画面でご覧になれます。


撮影場所を変える(常磐線の例)


 他に適した撮影場所がないか再び線路脇を歩いて探しにいきましたが、藤代変電所の先に行っても田園地帯は見えず、やむなくもとの場所に引き返しました。取手方面の田園地帯までは徒歩ではちょっときついので諦めました。元の場所で今度は先ほどよりもっと線路近くにカメラを設置しました。この場所での撮影した画像についてはまだホームページにアップしていません。