京浜東北線209系等撮影記



 左の写真は最近京浜東北線に導入された新型電車E233系を川口駅北側の陸橋の上から撮影したものです。左側には蕨保線区の引込み線や工事用車両が見えます。北斗星などはこの左側の保線区への資材の出入り場所にある門のところで撮影しています。しかし京浜東北線の車両は、この撮影場所では線路までの距離が近すぎて今まで撮影できませんでした。

 では最近の京浜東北線の車両はどこから撮影しているかというと、左の写真の右側の線路に沿って続いているフェンスの間から写しています。下の写真はそのフェンス越しに上の写真の左側に写っている工事用小型機関車を写したものです。



 ところでスリットカメラでは写真の網目のフェンス越しではレンズに金網の一部が入り込んでしまい撮影できません。ではどこで撮影するのかというと延々と続くフェンスには所々に、通常は鍵がかけられ出入りできませんが、必要なときに保線の人が出入りできるような開閉できる部分があります。その場所では開閉するための支柱が立っているのですが、下の写真のようにその支柱の間から撮影するのです。


 この場所を選んだのは、駅端までまだ300mほどあり列車がブレーキをかけるちょうど手前の場所ということと、線路に沿って遊歩道がありますが、フェンスと遊歩道の間に緑地帯があり三脚を立てても通行人の邪魔にはならなかったからです。ただ樹木の枝が撮影には邪魔なのですが、うまく避けながら撮影しています。また、列車を撮影できるということは、京浜東北線の車両がパンタグラフからレールまで障害物がなく見えるということです。最初やその次の写真でもわかるように線路の中には黄色いパイプ状の柵やタイガーロープが張り巡らされています。下の写真でわかるようにこのような障害物がたまたまこの場所では途切れていて、電車が上から下まで全部見えるのです。


 スりットカメラの場合、電車の側面が20cm程度の幅しか写らないのでこの写真のような細長い隙間からでも撮影できます。さて最後の障害は線路脇に生えている雑草です。寒い冬ではだいぶ枯れていますが、列車の通過で左右に動くので背の高い雑草は避けてレンズを向けます。この場所では南行の京浜東北線の線路まで実に5本の線路が走っています。被写体となる南行の京浜東北線は一番奥です。撮影中手前の5本の線路のいずれかに通過列車があれば撮影は失敗です。今まで撮影してみて大体5本に1本ぐらいの割合で他の列車がかぶるようです。さて皆さん、市街地でのスリットカメラの撮影の難しさがお分かりいただけたでしょうか。手前味噌ながら自分でもスリット写真の画像を作成していて、こんな隙間から列車全体の綺麗な写真が撮れてしまうのを見て感動しています。

この撮影場所で写した作品のひとつです。こちらをクリックすると別画面でご覧になれます。