区切りのない連続した画像のスリット写真は撮影フィルムから画像
を読み込むのですが、以前にはフィルムスキャン専用のスキャナー
を使ってコマ単位の大きさで読み込み、その後に全コマをつなげる
という面倒な作業を行っていました。なかでも北斗星など長編成の
列車では40コマ近い枚数を繰り返し読み込み、さらにつなげるとい
う大変な作業が必要でした。                       

そこで10年ほど前からフィルムスキャンもできるフラットベットスキャ
ナを購入し、スリット写真の読み込みができるように改造しました。
6コマを超えるフィルムスキャンで必要なことはスキャナの前後にス
キャン前とスキャン後のフィルムを通す通路が必要なことでした。
いろいろなメーカーのいろいろなスキャナを調べたところキャノンの
5600Fというスキャナが使えることがわかりました。このスキャナは
開閉カバー下に隙間があり、さらにフィルムフォルダーに入れたフ
ィルムを水平に移動させ易い構造になっている点が好都合でした。

それでは長いスリット写真のフィルムをフラットベットスキャナでスキ
ャンする方法やその過程についてご説明いたします。        
では①から⑧まで各画像とその説明文をご覧ください。       

 
①今回使用するフィルムには東武鉄道の特急スペーシア(旧塗装車)の
108
編成で、フィルムの長さは約70cmです。              
 
②フラットベットスキャナーのカバーを上げた状態で画面の下から上
方向にフィルムをセットします。このスキャナでは1回のスキャンで最
35mmフィルム6コマ分をスキャンできますが、スリット写真では6
コマ分が連続的につながったフィルム画像をスキャンします。     
 
 ③本格的なスキャンをする前にプレビュー画面のスキャンをしますが、
このときは画面の四角い窓はスキャナがブレビュー作業をするのに必
要な窓なので塞いではいけません。プレビューボタンを押すとプレビュ
ーが始まります。                               
 
 ④プレビューが終わると上の画面のように6コマ分の画像が表示され
ますが、スリット写真なのでこれを下の写真のように6コマ分をひとコマ
にしてスキャンボタンを押します。                      
 
1回目のスキャンが終わると、フィルムを上に移動して次の6コマ
分に当たるフィルムのスキャンを行います。フィルムを上に移動する
ため写真のようにフィルムの先がスキャナからはみ出してきます。
先ほどのプレビューのときにあけていた窓には2回目以降のスキャ
ンからフィルムを乗せることになります。                 
 
 ⑥3回目のスキャンでフィルムの終端がスキャナの手前部分に出てい
ます。これでスキャン作業は終わりです。                
 
 ⑦3回目のスキャンが終わりスキャナドライバの画面を閉じるとスキャンさ
れた全部の画像が出てきますので、向きや表裏を整えた上で保存します。
 
 ⑧最後にフォトレタッチソフトなどでつなげた6両編成の画像を作成すれ
ば完成です。                                
 
完成した画像の先頭部分を拡大した画像です。