スリットカメラの撮影では、撮影直前にシャッターを全開にしてモーターでフィルムを巻き始めなくてはなりませんが、このシャッターチャンスは先頭車両がカメラの前を通過する1秒ぐらい前が適正です。この時間がもっと長いとフィルムを無駄に感光させることとなり、逆に短いと先頭部分が写らなかったり、写っても画像が縮まって写ることになります。以前の実験では最低20m必要ということがわかり、時速70~80Kmの速さの列車では約1秒で通過することがわかります。
今日撮影したこの現場は、列車の来る右方向の視界が悪く30mぐらい手前までしかわからない場所でしかも線路が3複線あるところでしたが、目的の列車が来れば近づく走行音でわかると安易に考えていました。
ところが通過時間が近づくにつれて、両方向からいろいろな列車がやってきました。画面左が上野方面で右が大宮方面です。一番最初に京浜東北線の南行が画面の右から左方向に通過しましたが、次に上野発の211系が左方向から、同じく下りの湘南新宿ラインが同様に左方向からやってきました。
そこへ再び京浜東北線の北行が手前を左から右方向へ通過されたため通過し終わるまで最初の写真のように目的の列車が来たか見えない状態でした。
そして北行の京浜東北線の最後尾が通り過ぎるとほぼ同時に天城色の185系が右方向からやってきたのです。同時にいろいろな列車が通過中なので185系のやってくる音は全く聞こえません。コントローラーの電源は入れっぱなしでひたすらカメラのシャッターレリーズを手に持って身構えていました。本当に全神経を集中させている感じです。
この撮影現場の写真はスリットカメラで撮影後に写したものですが、このように手前を京浜東北線のE233系でふさがれている感じで、この最後尾が通過した直後にすぐ後ろの線路に185系が右から走ってきたのです。
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