今回の撮影現場は、写真のように線路との間に樹木が生い茂っている場所でしたが、スリットカメラの場合、撮影する範囲が非常に狭いことから、樹木と樹木の隙間にカメラを向けることで問題なく撮影できました。 今回の撮影現場では、左側に鉄筋の中層の建物がありまったく視界がききませんで、右側のほうも公園の樹木が多く生い茂っていて同様に視界の悪いところでした。そこで問題は接近してくる電車が左右どちら側から来るのかということと、撮影する線路側の電車がどの程度近くまで接近しているかを、電車の接近音だけで五感を研ぎ澄まして感じ取ることでした。最初は二子玉川方面は徐行していることが多かったのですぐわかりましたが、徐行しないで普通に走ってくると、音が建物に反射することもあり左右のどちらか判断を迷うようになりました。 |
結局、電車が見えるまでシャッターを押すのをためらいがちになるため、電車が見えてからシャッターを押すことで、シャッターを押すタイミングがかなり遅くなりました。このシャッターを押すタイミングが遅れるとモーターが回転を始め十分な速度に達しないうちに電車の先頭部が通過することから写真のように寸詰まりの画像となります。 私のスリットカメラの場合、少なくとも30mぐらい手前でシャッターを押す必要があります。この場所では電車が見えてからシャッターを切ると電車は10mぐらい手前まで接近している状態です。そこで急行の6000系を撮影できたときは、電車が見えないうちにシャッターを切ることを決めましたが、電車の走行音が次第に大きくなるのを聞いても、なかなか判断がつかずひやひやの撮影でした。これではまるで電車撮影ゲームをしている感覚です。 この撮影場所で写した作品のひとつです。こちらをクリックすると別画面でご覧になれます。 |