阪急9300系は、京都線専用の特急用電車として平成15年に営業運転を開始しましたが、昭和50年に登場した旧型の特急車6300系は平成22年2月をもってすべて置き換えられました。会社設立以来、阪急電鉄のすべての車両の生産を行ってきたアルナ工機が解散したことにより鉄道車両の生産をやめたため、この9300系は主として日立製作所で製造されました。旧6300系が2扉転換クロスシートで特急専用車なのに対し、9300系は3扉セミクロスシート車として特急以外での運用等にも対応しています。しかし、マルーン塗装の外装や木目調の内装、緑色の座席などのデザインは従来どおりで、阪急電車の伝統を受け継いでおります。9300系は平成22年までに9300Fから9309Fまで10編成が投入されています。この写真の編成が京都河原町行きの9304Fで、以前アップした編成が梅田行きの9306Fです。両編成の色の違いは露光設定値の問題もありますが、9304Fが午前中の日差しの中での撮影だったのに対して、9306Fは午後4時頃の逆光の元で撮影したものだからです。さて、関東の私鉄でも良く見られる女性専用車は阪急京都線では編成の真ん中の5号車です。これは9300系のように2人掛けシートのある平日の特急、通勤特急に設けられているもので終日行われています。つまりロングシート車にはこの女性専用車はありません。また、8号車は「携帯電話電源オフ車両」です。この車両は平成15年から設けられたもので、当初は編成の前後2両にありましたが、その後8号車1両のみになりました。JRなどでは優先席付近の携帯電話使用禁止及び電源オフを求めていますが、これはその車両全体に携帯電源を切ることを求めているものです。ところが、この8号車の「携帯電話電源オフ車両」ですが、平成15年より11年間続いていましたが、平成26年7月からついに運用が取りやめられ、今後はJRと同様な取り扱いになりました。平成23年1月 南茨木-摂津市間 コダックスーパーゴルド400使用